お金持ちはますます裕福に、庶民はますます厳しく──格差時代を乗り切る3つの方法

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 みなさんこんにちは、わんだらです。近年、日本では経済格差がますます拡大しているといわれています。厚生労働省の調査によると、2021年時点の日本の相対的貧困率は15.4%。これは国民のおよそ6人に1人、約2000万人弱が貧困状態にあることを示しています。しかし同時に、日本は世界で2番目に「億万長者」が多い国でもあり、その数は年々増加しているのです。
「一方では貧困が深刻化し、もう一方では富裕層が急増している」。こうした二極化が起こる背後には、避けがたい社会構造の変化や時代の波があります。もしその仕組みを理解せずにいると、今はなんとか生活できていても、将来的に「格差の下層」に追いやられる可能性も否定できません。

本記事では、日本における格差の実態を具体的なデータとともに整理しながら、「なぜ格差が拡大するのか」「どんな人が富を増やしているのか」そして「私たちが下層に落ちないためには何をするべきか」を考察します。

目次

1.日本の経済格差の実態を示すデータ

まずは日本の「経済格差」がどれほど深刻なのか、実際のデータをもとに見ていきましょう。

貯蓄ゼロが増える一方、富裕層も増加

金融広報中央委員会の「令和5年 家計の金融行動に関する世論調査」によれば、単身世帯の平均金融資産は941万円、中央値は100万円でした。2人以上の世帯では平均が1307万円、中央値が330万円です。平均値と中央値に大きな開きがあるのは、一部の富裕層が平均を押し上げていることを意味しています。

  • 単身世帯
    • 平均:941万円
    • 中央値:100万円
  • 2人以上世帯
    • 平均:1307万円
    • 中央値:330万円

単身・2人以上の世帯とも、「貯蓄ゼロ」や「100万円以下」という層がかなりの割合を占める一方で、「2000万円以上」の資産を持つ層も目立つという二極化の構図が明らかになっています。

「富裕層」が着実に増えている

野村総合研究所が発表しているデータ(通称「金持ちピラミッド」)によると、「1億円以上の資産を保有する富裕層」は2021年時点で148.5万世帯にものぼります。2005年当時の86.5万世帯と比較すると、約1.7倍に増加していることがわかります。
かつては「一億総中流」といわれた日本社会ですが、いまや“お金がない人”と“お金をしっかり持っている人”に大きく二極分化しているのです。


2.なぜ日本で格差が拡大するのか:4つの要因

次に、日本で経済格差がこれほど広がった背景を見てみましょう。「自己責任」「努力不足」といった個人の問題に矮小化するのは簡単ですが、実際は社会構造の変化や歴史的背景が大きく関係しています。

(1) 経済の長期停滞と「就職氷河期」世代の誕生

1990年代初頭のバブル崩壊以降、政府や日銀は有効な政策を打ち出せず、**「失われた20年」**と呼ばれる長期停滞に突入しました。企業は新卒の正社員採用を大幅に絞り、「就職氷河期」と称される世代が生まれます。この結果、

  • 有名大学卒で大企業に正社員として就職できた“勝ち組”
  • ブラック企業や非正規雇用で社会に出るしかなかった“負け組”

といった構図が鮮明になりました。日本では正社員と非正規社員で生涯賃金に1億円以上の差があるとも言われます。若い頃に就職でつまづくと、そこから正社員としてのキャリアを築くのは至難の業であり、貧困層に陥りやすいのが現状です。

(2) 女性の働きやすさ向上による「同類婚」の拡大

少子化対策や働き方改革により、残業削減・産休育休制度・フレックスタイムなどが普及した結果、女性の働きやすさが大きく改善しました。一見すると良いことづくめですが、「共働きが当たり前」になったことで、高所得同士のカップル(パワーカップル)と低所得同士のカップル(ウィークカップル)の二極化が進んでいます。

  • パワーカップル:
    2馬力で稼ぎ、資産形成がしやすい
  • ウィークカップル:
    双方の収入が低く、専業主婦率が上がりやすいことも相まって厳しい生活を強いられる

この現象は他の先進国にも共通する傾向ですが、日本でも中間層が薄れ「格差の拡大」に拍車をかけています。

(3) 相続貴族の増大

日本人の平均寿命は80~90歳程度で、最近はその年代の方々が相続の時期を迎えつつあります。特に今の80~90代は「高度経済成長期」に社会に出て十分な資産を築きやすかった層であり、かつ年金を手厚く受け取れた世代でもあります。その結果、

  1. 現役時代に築いた資産
  2. 充実した年金により取り崩す必要が小さかった資産

をまとめて子ども世代に引き継ぐ「相続貴族」が増えているのです。相続税が重いとはいえ、資産を不動産に変えて圧縮したり、子どもの数が少ないことも相まって、裕福な親の財産はしっかりと子に受け継がれる傾向があります。

(4) 「R>G」の法則(トマ・ピケティ)

経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』で提唱された「R>G」という概念は、労働で得られる収入の成長率よりも、投資などの資本収益率のほうが高いことを示しています。
富裕層は株式や不動産といった資産を多く保有しているため、

  • 近年の株価上昇
  • 不動産価格の上昇
  • 配当や自社株買い拡大

などの恩恵をモロに受け、さらに資産を膨らませています。一方で、投資をしていない人や資産を持たない人は、給料がさほど上がらない状況下で取り残されるばかり。これが格差をますます広げる大きな要因となっています。


3.格差社会を生き抜くための3つの対策

「格差は拡大する一方」と聞くと、後ろ向きな気持ちになるかもしれません。しかし歴史的に見ても、格差が自然になくなるのは革命・戦争・疫病・国家崩壊といった社会全体が崩壊する非常事態だけです。平和な時代が続く限り、基本的には格差は「放置すれば広がるもの」です。
したがって、私たちができるのは「格差が拡大する前提のもとで、自分が下層に陥らないよう備えること」。具体的には以下の3つの方法が効果的です。

(1) 1秒でも早く資産形成を始める

資本主義では時間とともに格差が開いていきます。例えば、同じ収入のAさん(投資なし)とBさん(月1万円・年利5%で運用)では、最初はわずかな差であっても、10年・30年・50年と経つうちに大きく広がります。
1万円という少額からでも、長期運用のメリットを享受すれば将来的に莫大な差になるのです。2024年からは新NISA制度もスタートし、投資を始めやすい環境が整っています。少しでも早く「投資の習慣」を身につけ、資本の側に立つことが重要です。

(2) 適正なリスクを取る

日本はかつてのように右肩上がりではなくなり、大手企業を除けば給与も上がりにくい社会になっています。保守的に生きているだけでは格差社会の“負け組”に回りやすいのが現実です。
そこで**「スキルを身につけて転職する」「資格を取り長く働く」「副業で事業を起こす」「少額投資から始める」**といった、適度なリスクテイクが必要になります。人生100年時代と言われるいま、「自己投資」によって自分の市場価値を高めていくことが将来的な収入アップと安定につながります。

(3) 世間の風潮に流されない

世の中の多数派が「お金がなくて苦しい」側にいる以上、大多数の意見に合わせると同じように苦しくなる可能性が高いのは想像に難くありません。
たとえば「マイホームを買うのが当たり前」「車は所有して当たり前」「子どもの教育費は惜しまない」といった固定観念にとらわれず、本当に必要かどうか、どのくらい費用をかけるのがベストなのかを一度冷静に考えてみましょう。高額な支出をするときは「周りがそうしているから」という理由だけでなく、費用対効果や人生設計を踏まえ、主体的に判断することが大切です。


4.まとめ:格差はなくならない、だからこそ備えよう

日本はかつて「1億総中流」と呼ばれるほど、他の先進国と比べて格差の小さい国でした。しかしバブル崩壊、就職氷河期の世代、女性の働きやすさ向上による同類婚、そして高度成長期を生き抜いた世代からの相続の波など、複数の要因が絡み合い、所得や資産の二極化が顕在化しています。
そして、歴史的に見ても平和な時代に格差が縮小することは稀であり、今後も格差は着実に拡大していくと考えるべきでしょう。

そんな時代において私たちができることは「嘆くのではなく、動く」ことです。

  • 1秒でも早く資産形成を始める
  • スキルや資格、副業などで適正なリスクを取る
  • 世間の固定観念に流されず、主体的に生き方・使い方を考える

この3つを意識して行動していけば、たとえ格差が拡大する社会であっても、自分や家族の生活を守り、ゆとりある未来を手にする確率を高められるはずです。今日からできることを少しずつ積み重ね、将来の安心につなげていきましょう。

「今より明日、明日より明後日が少しでも良くなるように。」これが格差社会を乗り切るための第一歩です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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