みなさんこんにちは、わんだらです。「馬券と株を買う人の違いは何だと思う?」という問いかけから始まる、ロバート・キヨサキ氏の名著『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』。投資やビジネスに興味を持つ人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。実はこの本の中で、キヨサキ氏は「投資家には7つのレベルがある」と明確に提示しています。
本記事では「7つの投資家レベルとは何か」そして「なぜ馬券と株が同じような扱いを受けているのか?」をわかりやすく解説します。自分がどのレベルにいるかを客観的に確認し、今後どうステップアップしていくべきかを考えるきっかけにしていただければ幸いです。
- この記事のゴール
- ロバート・キヨサキ氏が提唱する「投資家の7つのレベル」について理解する
- 「自分がいまどのレベルなのか」を把握し、具体的なアクションにつなげる
- 投資家として“お金に困らない人生”を目指すための心構えを身につける
それではさっそく、投資家の7つのレベルを順番に見ていきましょう。
1. 投資家の7つのレベルとは?
ロバート・キヨサキ氏が示す7つのレベルは、以下のとおりです。
- レベル0:投資すべきお金を全く持っていない人
- レベル1:お金を借りる人
- レベル2:お金を貯めてから使う人
- レベル3:賢い(と自称している)投資家
- レベル4:長期的投資家
- レベル5:洗練された投資家
- レベル6:資本家
これら7つのレベルは、いわゆる「投資額」や「金融資産の多さ」だけで決まるものではありません。重要なのは、“お金への向き合い方”や“投資の知識・マインド”、“リスクの取り方”などです。ここからは各レベルを具体的に見ていきましょう。
2. レベル0:投資すべきお金を全く持っていない人
まず、レベル0に位置するのは「投資に回せるお金を持っていない人」です。稼いだお金はすべて生活費や消費にまわしてしまい、投資に回す余裕がありません。理由は人それぞれで、収入自体が少なく生活費で手一杯という場合もあれば、稼ぎは十分あるのに浪費癖でほとんど使い切ってしまう場合もあります。
- 日本の家計調査から見る実情
2022年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯の約34.5%、2人以上世帯の約23.1%が「貯金ゼロ」という結果が出ています。つまり、日本でも意外に多くの人がレベル0に相当しているわけです。 - 最初は誰もがレベル0からスタート
不安になる方もいるかもしれませんが、安心してください。多くの人が最初はレベル0です。そこからコツコツ貯める力を身につけ、投資余力を生み出していけば、次のステージに進むことは十分可能です。
3. レベル1:お金を借りる人
次はレベル1の投資家、「お金を借りることで欲しいものを手に入れる人」です。クレジットカードのリボ払い、カーローン、住宅ローン、投資資金のための借金(信用取引など)…。とにかく「ないお金は借金で補う」という特徴があります。
- いい借金と悪い借金
ロバート・キヨサキ氏は「借金には良い借金と悪い借金がある」と強調します。- 良い借金:資産を増やすためのレバレッジ。たとえば価値が5,000万円以上ある不動産を、銀行から5,000万円借りて購入し、実際の評価額が6,500万円だった…というケース。純資産は増えます。
- 悪い借金:買った瞬間に価値が大きく下がる“ガラクタ”や過剰な消費、無計画なローンなど。純資産はむしろ減ります。
レベル1の多くは、残念ながら悪い借金に依存しがちです。信用力を消費するだけで、純資産が増えない状況に陥ります。
4. レベル2:お金を貯めてから使う人
レベル2は、「貯金はするけれど、そのお金を投資ではなく消費目的で貯める人」です。投資や借金は「なんだか怖い」「リスクがある」「借金は悪いもの」という先入観が強い傾向があります。
- インフレリスクを軽視しがち
現金の価値はインフレによって目減りしていく可能性があります。たとえば年3%のインフレが進むと、今年100円で買えたものが翌年には103円、再来年には106円…というふうにじわじわと上がっていきます。銀行に預けているだけでは、実質的に“お金が減っていく”状態といえます。 - 堅実そうでも大きな穴がある
「投資=危険」「貯金=絶対に安全」という思い込みだけに頼っていると、インフレに気づいた時点で手遅れになるリスクも。もちろん生活防衛資金の確保は大切ですが、それ以上をまったく投資に回さないのは長期的に大きな機会損失を招く可能性が高いのです。
5. レベル3:賢い(と自称している)投資家
レベル3に来ると、「投資の必要性はわかっているし、投資に使える余裕資金もある」という人たちです。ですが、ここでいう“賢い”とは「自称しているだけ」という皮肉が含まれています。実はこの層は、さらに3つのタイプに分かれます。
- めんどくさがり屋タイプ
- 投資のすべてをFPや銀行員、配偶者など“他人まかせ”にしてしまう
- 具体的なプランや商品の内容を深く理解せず「お任せ」で済ませてしまう
- 失敗すると「任せた相手が悪い」と考えてしまいがち
- 頭でっかちタイプ(評論家タイプ)
- 投資や経済については大量に勉強しており、よく知識をひけらかす
- 「自分の予想通りだった」と言うわりに、実際の投資額は小さい
- 心の奥底で「投資は怖い」という不安が強く、大きく行動に移せない
- ギャンブラータイプ
- 「値上がりしそう」であれば、投資対象が何でも飛びついてしまう
- リスクとリターンの計画を深く考えず、大勝ちか大負けかの世界
- 稀に大成功する人もいるが、多くは早期退場してしまう
このレベル3にとどまると、「投資しているのに大してお金が増えない」「いつも損ばかりしている」など、結果が不安定になりがちです。
6. レベル4:長期的投資家
レベル4は、「投資家として“合格ライン”に達している状態」といえます。以下のような特徴が見られます。
- 主体的に投資を学び、計画を立てる
「投資の意思決定をすべて他人に丸投げしない」「投資の目的と目標を明確にして、長期的な視野で計画を立てる」といった姿勢がある。たとえば、- 家計の収支を把握し、投資に回す資金を確保できる
- インデックスファンドなど“長期・分散・積立”を基本とする
- 税金の知識や節税の方法を学び、合法的に税負担を減らす
- 自分のリスク許容度を正しく理解している
ギャンブル的な一発勝負はしないが、臆病になりすぎず適切にリスクをとって長期的に資産を育てる。その結果、年3~7%程度のリターンを目指すケースが多い。 - 人生の最大の悩みが「お金」ではなくなる
ある程度の資金が積みあがり、複利効果を得られるようになるため、生活の不安が大きく軽減される。- 「会社の給与だけに依存しなくてもいい」
- 「老後資金を心配しなくて済む」
- 「家族や自分の将来設計に余裕を持てる」
「お金に困らない人生」を送るうえで、まず目指したいのがこのレベル4です。
7. レベル5:洗練された投資家
レベル5は、「より積極的にリスクを取り、高いリターンを狙える投資家」です。レベル4の投資家と大きく異なるのは、“投資のための基盤や知識を身につけているうえで、攻めの姿勢を見せられること”にあります。具体的には、以下のような特徴があります。
- しっかりした財政基盤を持っている
- 総資産が十分に大きい
- 高収入を得られる本業や、安定した年金などのバックグラウンドがある
- 投資に関する高度な知識・マインドを持つ
- オプション取引や不動産の実務、行動経済学、人間心理などにも精通
- “良い借金”を活用してレバレッジをかけ、年25%を超えるリターンを狙う
こうした投資家は「誰かが作った投資商品をただ買うだけ」ではなく、自分でビジネスや不動産投資の仕組みを作り出すことが多いのも大きな特徴です。ゼロから投資機会を見出し、レバレッジを効かせて大きく資産を増やすポテンシャルを持っています。
- “株を買う人になるな”の真意
キヨサキ氏が言う「株を買うような人になるな」とは、レベル4以下の「出来上がった投資商品を買うだけ」の状態で満足してしまうことを指します。もし大金持ちを目指すなら、「自分の手で高利回りの投資を作り出せる」人材になれ、というわけです。
8. レベル6:資本家
そして最終ステージとも言えるのがレベル6。「自分のお金だけでなく、他人のお金や才能、時間をも活用してビジネスを拡大し、社会にも大きな価値を提供する投資家」のことを指します。
- IPOなどを通じて他人も豊かにする
代表的な例が「自社を株式上場させる」こと。株の新規公開(IPO)を行えば、多くの人がその企業の株を買うチャンスを得ます。もし株価が2倍・3倍に成長すれば、投資家たちも一緒にお金を増やしてハッピーになれます。 - 自己資金ゼロでも無限大のリターンを得る可能性
天才的な起業家の中には、自分の資金がほぼゼロでも投資家から出資を募り、大成功を収める人がいます。自己資金がゼロなら、投下資金に対するリターンは理論上「無限大」。そうしたスケールの大きさが資本家の世界にはあります。 - 他人を豊かにできる投資を創り出す
資本家は自分だけが儲かるのではなく、社員や取引先、顧客など関わる人たちにも経済的恩恵をもたらすのが大きな特徴です。
9. なぜまずは「レベル4」を目指すべきか
ここまで7つのレベルを見てきましたが、多くの人がまず目標にすべきはレベル4=長期的投資家です。その理由は以下のとおりです。
- 経済的自由への近道
レベル4まで到達すると、投資による安定収益を得られたり、複利効果で資産が増えていったりと、経済的な不安が大幅に減ります。 - 誰でも努力次第で到達可能
洗練された投資家(レベル5)や資本家(レベル6)になるには、より専門的な知識・スキル・リスクテイクが必要です。全員がそこまで上がりたいわけではないでしょう。一方、レベル4なら正しい知識と行動習慣を身につければ、年収が高くなくても十分に到達できます。 - 投資以外の人生も楽しめる余裕が生まれる
レベル3以下で投資がうまくいかない人は、常にお金に振り回されがち。レベル4まで行くと、お金に対する不安が軽減され、本業や趣味、家族との時間などに集中しやすくなります。
10. まとめ:あなたはどのレベルにいる?
投資家の7つのレベルまとめ
- レベル0:投資に回せるお金がない(貯金もほとんどない)
- レベル1:常に借金で解決しがち(裏には借金がつきまとう)
- レベル2:投資は怖いからとにかく貯金(インフレリスクを軽視)
- レベル3:投資する意思はあるが、めんどくさがり/頭でっかち/ギャンブラー
- レベル4:長期的投資家(主体的に学び、計画し、長期投資を継続)
- レベル5:洗練された投資家(自己資本の20%などリスク管理しつつ高利回りを狙う)
- レベル6:資本家(他人の資金と才能を活用して巨大な価値を創造)
キヨサキ氏のメッセージによれば、「レベル4を達成し、そこで満足するのであればそれでいい。むしろ大きな喜びの一つは、自分の今の状態に満足していることだ」とも述べられています。
しかし、もしさらに上を目指したいなら、レベル5~6に進むためのステップを踏まなければなりません。それには実践を積み、成功している投資家や起業家から直接学ぶ場を活用するのが近道です。
- レベル4止まりでいい人
- インデックス投資や長期的な積立をコツコツ継続
- 会社員や公務員でも十分に資産形成ができる
- お金の不安を小さくしつつ、人生を楽しめる
- レベル5以上を目指す人
- 不動産投資やビジネスの立ち上げ、オプション取引など幅広い知識が必要
- 自分で“投資の枠組み”を作り出す力を養う
- 他人と積極的に交流し、実績のある先輩投資家から学ぶ
11. 今すぐできるアクションプラン
- 自分がどのレベルにいるか客観的に見極める
- 収入と支出を家計簿・アプリで可視化
- 貯蓄額や投資額、借金の状況を整理
- まずはレベル2からレベル4を目指す
- 投資の怖さを正しい知識で埋めるために、本や動画、コミュニティで学ぶ
- 積立NISAやiDeCoなどを活用し、コツコツ分散投資
- 生活防衛資金を確保しつつ余裕資金を投資に回す
- すでにレベル4に到達しているなら?
- 本業や家族、趣味にしっかり時間を使い、豊かな人生を楽しむ
- より高いリスク・リターンを求めるなら、不動産投資や起業を検討してみる
- 信頼できるコミュニティや先輩投資家と情報交換する
おわりに
投資家の7つのレベルを理解すると、世の中にはさまざまな“お金の捉え方”があることに気づかされます。自分のレベルを正しく把握するだけでも、次のアクションが明確になります。
- レベル0~1の方は、まずは生活費の見直しや副業などで投資余力を生み出すステップから。
- レベル2の方は、インフレリスクを理解したうえで少額投資から始めてみるとよいでしょう。
- レベル3の方は、投資の目標と計画をはっきり立て、行動に落とし込むのが先決です。
- レベル4に至れば、家計が安定し資産も増えやすい環境が整います。
そしてさらに野心があれば、「洗練された投資家」や「資本家」を目指すのも選択肢の一つ。リスクは大きいですが、ビジネスを作り出し、他人をも豊かにする道が開けます。
まずは、自分がどのレベルにいるのか冷静に分析し、目標設定をしてみましょう。あなたの“投資家レベル”が上がれば、人生の選択肢は大きく広がっていくはずです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事が、あなたの資産形成や投資マインドを磨く一助になれば嬉しいです。ぜひ今日から“次のステージ”を意識して、お金に強く、人生に余裕のある暮らしを目指していきましょう。