みなさんこんにちは、わんだらです。新しい高配当投資信託が次々と誕生し、なかでも、「分配金を年4回出してくれる」「分配利回りが5〜6%を狙える」といった華やかなキャッチフレーズの商品が注目を集めているのではないでしょうか。
しかし、「実際にはどれくらい分配金が出ているのか?」「有名な高配当ETF(VYM・SCHDなど)に連動する投信は、本当に魅力的なのか?」と疑問もあるはずです。
本記事では、既存の高配当ETF・投資信託の分配金実績と、最近話題のSBI・楽天などから登場した新たな高配当投信の配当見込みを整理しつつ、これからの分配金生活に活かせるヒントをお伝えします。
1. 従来からある高配当ETF・投資信託の実績
1-1. NF日経高配当50ETF(1489)
- 対象指数:日経平均高配当株50
- 分配金スケジュール:1月・4月・7月・10月
日本の高配当株50銘柄にまとめて投資できるETFとして、長年人気を集めています。2024年の分配実績は次のとおりです。
- 1月7日: 5円
- 4月7日:30円
- 7月7日: 5円
- 10月7日:38円
合計すると、利回りは3.47%前後。予想利回り3.3%を上回っており、魅力的な成績と言えるでしょう。
1-2. トレ日経平均高配当株50インデックス(年2回決算)
- 対象指数:同じく日経平均高配当株50
- 信託報酬:0.10725%
- 分配タイミング:3月・5月・7月・9月(2024年9月から分配開始)
2024年9月に初の分配が実施され、6回分を仮定すると年間5.47%ほどの利回りになる試算も。実際には分配の偏りもありそうですが、初期予想(約3.8%)を超える可能性もあります。
1-3. iFree 米国配当(年4回決算)
- 対象銘柄:50年以上連続増配の米国企業40銘柄
- 分配スケジュール:2月・5月・8月・11月
2023年5月に誕生した比較的新しいファンド。直近4回の分配金は「60円・60円・80円・60円」で、分配金利回り2.1%前後。やや伸び悩んでいますが、背景には米国高配当銘柄の株価上昇が挙げられます。
1-4. VYM(米国高配当ETF)
- 対象銘柄:米国の高配当銘柄約400社
- 分配スケジュール:3月・6月・9月・12月
定番の米国高配当ETFで、2006年から連続増配を続けている点が魅力です。2024年も9月時点で前年を上回る分配金を出しており、年間3.3%前後の利回りを維持しそう。増配履歴は約15年連続という堅実さが光ります。
2. 「分配金ブーム」を引き起こした新たな高配当投資信託
2-1. SBI日本高配当株式分配ファンド(年4回決算)
- 対象銘柄:日本の高配当株30社
- 信託報酬:0.09%
- 分配スケジュール:1月・4月・7月・10月
2023年12月に設定され、年4回の分配と低コストが話題に。4月・7月・10月で各140円、仮に4回合計560円とすると、利回り5.01%。予想利回り4.5%を上回る好調ぶりです。
2-2. SBI V 米国高配当株式インデックスファンド(年4回決算型)
- 対象ETF:VYM
- 分配スケジュール:2月・5月・8月・10月(2024年1月設定)
5月・8月・10月の分配実績は各80円程度で、現状だと年間2.65%前後の見込み。VYM自体の株価が上昇しているので、やや利回りは低くなる傾向。年によって分配額にばらつきがあるため、2月の分配金を確認してからの評価が重要です。
2-3. SBI欧州高配当株式分配ファンド(年4回決算)
- 対象銘柄:欧州主要国の高配当株
- 分配スケジュール:3月・6月・9月・12月
- 想定利回り:6.12%
6月に160円、9月に140円の分配を実施。継続すれば利回り6%超になる計算で、非常に高配当が期待されます。ただし、欧州株式の景気動向に左右される面はあり、今後の推移も要チェックです。
3. これから分配金が始まる期待の2ファンド
3-1. SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算)
- 対象銘柄:日本含む世界各国の高配当株
- 信託報酬:0.05%(かなり低コスト)
- 分配スケジュール:2月・5月・8月・11月
- 初回分配:2025年2月20日予定
まだ分配実績がなく、予想利回り4%。グローバルに分散できる高配当株としては魅力的ですが、実際の分配金は2025年2月にならないとわからないため、今後の動向が注目されます。
3-2. 楽天SCHD(年4回決算)
- 対象銘柄:米国SCHD(連続増配の高配当株100銘柄)
- 信託報酬:0.12%
- 分配スケジュール:2月・5月・8月・11月
- 初回分配:2025年2月25日予定
SCHDは増配率が高いことで有名。年平均の増配率11%以上とも言われ、9月の配当も16%増加するなど絶好調。予想分配利回りは約3.5%ですが、今後の米国市況次第ではさらに上振れが期待できるかもしれません。
4. 毎月分配金を受け取るポートフォリオは可能?
「月ごとに高配当ファンドを分散すれば、毎月分配金を得られるのでは?」と考える方も多いでしょう。実際、SBI日本高配当・SBI欧州高配当・SBI米国高配当を組み合わせれば、1月・2月・3月…といった具合に毎月分配を狙えます。
- 日本高配当(1月・4月・7月・10月)
- 欧州高配当(3月・6月・9月・12月)
- 米国高配当(2月・5月・8月・10月)
それぞれの利回り(目安)が4%、6%、3%とすると、組み合わせによってポートフォリオ全体で4.3〜4.5%程度の分配金利回りになる計算です。
4-1. 20年積み立てるとどうなる?
仮に毎月4.5万円を投資に回し、平均4%の分配利回りで20年継続すると、20年後には年間64万円以上の不労所得が得られる可能性があります。月あたり約5万円の安定収入を得られれば、セミリタイアやサイドFIREの選択肢も広がりそうです。
まとめ:新時代の高配当投信は“分配金実績”を見極めながら活用を
- 従来の高配当ETF/投信(1489、VYMなど)は実績豊富で安心感がある
- SBI日本高配当/欧州高配当などの新興投信は、実際に分配金をしっかり出しており、予想利回りを上回るケースも
- SBI全世界高配当/Rakuten SCHDなど、これから初回分配が始まるファンドは要注目
高配当株ファンドをうまく組み合わせると、毎月分配金を狙うポートフォリオも構築できます。ただし、分配金の裏側には基準価格の下落リスクや、今後の市況変動リスクも潜んでいる点をお忘れなく。長期投資では、配当再投資と取り崩しのバランスも大切です。
今後はSBI全世界高配当や楽天SCHDの分配金も見えてくるでしょう。ぜひ本記事を参考に、今後の高配当投資信託選びに役立ててみてください。