みなさんこんにちは、わんだらです。「高配当株を買って、不労所得である“配当金”をガンガン受け取りながら生活したい」「積立NISAにも慣れてきたから、次は高配当株投資に挑戦したい」――こう考えている方は多いのではないでしょうか。実際、私も“配当金生活”という響きに憧れ、投資を始めました。
しかし、高配当株投資には落とし穴があるのも事実です。実際に始めたものの、ほどなくして失敗してしまった人も多く存在します。私自身もいまでは年間配当金100万円を超えるところまでやってきましたが、振り返ると失敗だらけでした。
本記事では、そんな私自身の失敗談も交えつつ、「高配当株投資によくある失敗例7選」 を徹底解説します。失敗パターンを事前に把握しておけば、大きな痛手を被るリスクはぐっと下がるはず。これから高配当株を始める方も、すでに始めている方も、ぜひ参考にしてみてください。
1.利回りだけ見て選んでしまう
「高配当株=利回りが高い銘柄を選べばOK」と考えていませんか?
しかし、これは最も危険な考え方です。配当利回りの高さには必ず理由があり、以下のような要因で一時的に利回りが急上昇している銘柄は“罠銘柄”と呼ばれたりします。
- 株価が下落した結果、高配当になっている
不人気・業績不振などで株価が大きく下がり、その分利回りが高く見えるだけの可能性。 - 記念配当など一時的に配当額が増えている
今後、配当が通常水準に戻れば利回りは下がる。 - 業績が短期的に好調で一時的に配当を増やしている
好調が続かないと、のちに減配するリスクあり。 - 配当性向が高すぎる(無理して配当を出している)
企業の体力が限界に近い状態で高配当を維持しており、いずれ減配・無配に陥るリスク。
具体例:海運株「商船三井」
2021〜2022年頃はコロナ禍のサプライチェーン問題で海運運賃が急騰し、9301 商船三井の配当利回りは11%超えになりました。しかし、2023年の決算では経常利益が前期比で大幅減益、配当金も大幅減配が予想されています。一時的に高配当でも、その裏には需給や業績の“特需”要因があるわけです。
対策
- 利回りだけでなく、売上・営業利益・純利益・EPS(1株当たり利益)の成長性をチェック。
- 過去の配当実績を確認し、減配の有無や配当性向を把握する。
- 短期的な株価下落や一時的増配に惑わされず、長期的な安定性があるかを判断する。
「高配当=良い銘柄」とは限らないので、利回りが「8〜10%超え」など極端に高い場合は特に注意を。
2.個別企業に集中投資する
「財務も業績もバッチリな有名企業だから大丈夫」「ここに資金を集中させれば配当金が一気に増やせそう」と考える人もいます。しかし、これは一段と危険な考え方です。
リスク例:東京電力
- 東日本大震災・福島第一原発事故(2011年)を機に、無配(配当ゼロ)に転落。
- 株価も一時2000円→120円台に急落し、現在もかつての水準に戻っていません。
リスク例:日産自動車
- 過去にゴーン氏の逮捕などの事件があり、業績悪化で配当金も大幅減配・無配に。
分散投資の重要性
- 個別株はたとえ優良でも想定外の出来事(不祥事・事故・業界構造変化など)で配当ゼロや株価急落のリスクがある。
- 最低でも15銘柄以上に分散投資し、業種もばらけさせてリスクをコントロールすることが肝心。
- 個別株の分析が面倒ならETF(上場投資信託)を使えば、1つの商品で数十銘柄に分散できるので安心。
投資で大切なのは“致命的なダメージを避ける”こと。敗けない投資を徹底しましょう。
3.買った後に株価下落して耐えられなくなる
「高配当株を買ったら、すぐに株価が下がって含み損に…」これは高配当株あるあるです。しかし、目的が配当金なら短期的な株価下落にあまり神経質になる必要はありません。
- 含み損を抱えていても、企業が減配しない限り配当金は変わらず受け取れる。
- 有望銘柄の株価下落は、むしろ「追加投資のチャンス」とも考えられる。
投資を始めたばかりの時期ほど含み損に動揺しやすいですが、長期保有前提なら短期の価格変動は気にしすぎないことが大切です。ポートフォリオ全体で含み益になっていればOK、くらいの気持ちで臨みましょう。
4.景気敏感株の減配後につい投げ売りする
株式には、景気変動に左右される「景気敏感株」と、不況でも比較的安定する「ディフェンシブ株」があります。景気敏感株は好況時には業績が伸びて高配当になることもありますが、不況や業績悪化で減配するケースが多い。
例:ヤマハ発動機
- コロナショックで赤字に転落し、減配。その後の業績回復で増配へ。
例:ブリヂストン
- コロナショックで業績悪化し減配。のちに業績回復で再び増配。
減配で慌てて売るのではなく、「景気敏感株は波がある」と理解して保有し続けるか、あるいは逆に投げ売り後の割安状況を買いに行くなど、冷静な判断をすべきです。ディフェンシブ株中心でポートフォリオを組む方法も検討しましょう。
5.バリュートラップにかかる
「割安だから買ったはずなのに、一向に株価が上がらない」――これがバリュートラップと呼ばれる状態です。
バリュートラップの典型
- 低PER(株価収益率)を「割安」と見て投資。しかし、実際は業績悪化でEPSが下がり、PERは見かけ上低いまま。結局割安ではなかった。
日本株はPBR1倍以下の銘柄が多く、こうしたバリュートラップが頻発します。対策としては、複数の指標(PERだけでなくEPS成長、財務指標など) を確認し、長期的な業績安定性や成長性を見極めることが大切です。
6.実は自分に向いていなかった
投資といっても種類は多様です。高配当株投資が万人に合うわけではありません。
たとえば、短期でガッツリ儲けたい、投資効率を追求したい、配当金の受取よりも総資産を増やしたい、という考えの人には向いていないかもしれません。
- 短期勝負型の性格:ハイリスク・ハイリターンを好むため、高配当株のようにじっくり配当を受け取る投資は物足りない。
- コツコツ型の性格:計画的に長期で配当を育てるのが得意。高配当株と相性が良い。
まずは自分の投資スタンスを見極め、「配当金を得る喜び」を重視するか、総資産増加や短期利益を重視するかを明確にしましょう。
7.途中でやめてしまう
高配当株投資は、基本的に長期保有で配当を積み重ねるスタイルです。株を持っている限り配当金は受け取れるので、年数を重ねるほど総配当額が大きくなります。
- 十分な資金がない最初の数年は配当金の実感が得にくく、途中で嫌になってやめてしまいがち。
- しかし、本当に配当の恩恵を感じられるのは数年以上継続してこそ。
少なくとも1年は試行し、それでも合わなければ別の投資(たとえばグロース株や投資信託の積立など)を選ぶなど、続けるor辞めるを冷静に見極めましょう。
8.まとめ:失敗を回避し、楽しい配当金生活を目指そう
ここまで、高配当株投資によくある失敗例7つを解説しました。改めてポイントを振り返ると、
- 利回りだけ見て選ぶ → 高利回りには裏がある場合が多い。多角的指標で判断必須。
- 個別企業に集中投資 → 大企業でも無配リスクはあり。最低15銘柄以上に分散を。
- 株価下落に耐えられない → 短期の変動を気にしすぎない。目的は配当金獲得。
- 景気敏感株の減配で投げ売り → 景気敏感株は波がある。不況時こそチャンスの場合も。
- バリュートラップにかかる → 割安指標(PERなど)だけでは不十分。EPS成長を重視。
- 実は自分に向いていなかった → 投資スタンス(狩猟型or農耕型)を見極める。
- 途中でやめてしまう → 長期前提だからこそ配当金の醍醐味を味わえる。1年は試すべし。
高配当株投資を失敗例とともに学ぶことで、リスクを把握し、正しいマインドで取り組めるようになります。仮に失敗しても、気づいた時点で修正すれば問題ありません。何より重要なのは、「大きな致命傷を避けること」 です。
投資家のみなさんは、数々のミスをしながら資産を増やしてきました。ぜひ今回のチェック項目を意識して、上手な配当金生活を楽しんでください。